ハコガメの世話をしていて、餌やりのときに指をパクッとされてヒヤッとした経験はありませんか。「うちの子は性格がきついのかな」「カメに噛まれたけど大丈夫?」と不安になる方も多いはずです。
この記事では、ハコガメが噛む主な理由、「シューッ」という威嚇音の意味、実際に噛まれてしまったときの対処、そして噛まれにくくするための予防のコツを整理します。
結論
ハコガメが人を噛むのは、ほとんどが「餌と間違えた」か「身を守ろうとした」ときです。
- いちばん多いのは給餌時の誤咬(ごこう)。指を餌と間違えてしまうケース
- 攻撃的な性格だから噛む、というカメはまれ。多くは防御反応
- 噛まれたら無理に引き剥がさず、カメが自分から離すのを待つのが基本
- 噛まれた後は傷口をよく洗い、サルモネラ対策の観点からも手洗いを徹底する
- 「シューッ」という音は多くの場合、頭を引っ込めるときの空気音や威嚇のサイン
ハコガメが噛む主な理由
1. 餌と間違えている(給餌時の誤咬)
飼育下のハコガメが人の指を噛むケースで最も多いのが、給餌のときの「間違い咬み」です。ハコガメは動くものや餌のにおいがするものに強く反応します。手から直接餌を与えていると、餌をつまんだ指ごとパクッといってしまうことがあります。
これは攻撃ではなく、「指も餌だと思った」だけのこと。餌のにおいが指についたまま手を近づけたときにも起こりやすいので、給餌の前後は手を洗い、餌はピンセットや餌皿越しに与えると防ぎやすくなります。
2. 身を守ろうとしている(防御・威嚇)
ハコガメは本来、危険を感じると甲羅を閉じて身を守るカメです。ただ、甲羅に引っ込めない体勢で急につかまれたり、頭の上から急に手が近づいたりすると、防御反応として噛みつくことがあります。
お迎えしたばかりで環境に慣れていない個体や、寝ているところを急に触られた個体に見られやすい行動です。ハンドリングのコツを押さえて、カメの視界に入る低い位置からゆっくり手を近づけるようにすると、驚かせにくくなります。
3. 繁殖期・発情期で気が立っている
オスは繁殖期になると気性が荒くなることがあり、メスへの求愛行動の一環で噛みつくのはよく知られています。この時期は人の手にも普段より敏感に反応する個体がいるとされています。繁殖期の行動については繁殖の基礎の記事で詳しく紹介しています。
4. 同居のカメ同士の咬み合い
人ではなくカメ同士の話ですが、複数のハコガメを同じケージで飼っていると、餌の取り合いや相性の問題で咬み合いが起こることがあります。しっぽや手足をかじられてケガをすることもあるため、基本は単独飼育が安心です。詳しくは多頭飼いの注意点をご覧ください。
「シューッ」という音は威嚇?病気?
ハコガメを持ち上げたときなどに「シュッ」「シューッ」という音を出すことがあります。これは多くの場合、頭や手足を勢いよく引っ込めるときに肺から空気が押し出される音で、驚いたときや警戒しているときのサインとされています。
一方で、じっとしているのに「ピーピー」「キューキュー」といった音が呼吸のたびに聞こえる、口を開けて呼吸している、鼻水が出ている、といった場合は、威嚇ではなく呼吸器の不調が隠れている可能性があります。迷ったときは鼻水・呼吸がおかしいときのサインを確認し、続くようであれば爬虫類を診てくれる動物病院に相談すると安心です。
噛まれてしまったときの対処
無理に引き剥がさない
噛まれた瞬間に手を強く振ったり引っ張ったりすると、カメが余計に力を込めてしまい、傷が深くなったり、カメを落として甲羅を傷つけたりするおそれがあります。痛くても一度落ち着いて、カメが自分から口を離すのを待つのが基本です。なかなか離さない場合は、カメごと浅い水にそっとつけると口を離すことがあるとされています。
傷口はしっかり洗う
口を離したら、傷口を流水と石けんでよく洗い流します。カメの口の中には雑菌がいるため、出血をともなう傷や腫れ・痛みが続く場合は、自己判断で済ませず医療機関(皮膚科・外科など)に相談してください。カメに触れた後の手洗いは、噛まれていないときでもサルモネラ対策として毎回の習慣にしたいところです。
子どもが噛まれやすい状況に注意
小さな子どもは顔をケージに近づけたり、急につかもうとしたりしがちです。ハコガメの噛む力は見た目より強く、小さな指だと思わぬケガにつながることもあります。子どもがいるご家庭では、餌やりや持ち上げは大人が付き添うようにしましょう。
噛まれないための予防のコツ
- 手渡し給餌を習慣にしない:ピンセットや餌皿を使い、「人の手=餌」と学習させない
- 餌のにおいを落としてから触る:給餌の前後は手を洗う
- 急な動きで驚かせない:上からつかまず、視界に入る位置からゆっくり
- 機嫌のサインを読む:甲羅に引っ込む・シューッと音を出すときは「触らないで」の合図と考えてそっとしておく
- 行動の変化に注目する:急に気が荒くなったときは、環境の不満や体調の変化が隠れていることも。行動から読み取るサインもあわせてチェック
「カミツキガメ」とは別のカメです
名前の響きから「ハコガメも噛みつくカメ?」と心配されることがありますが、ハコガメとカミツキガメはまったく別のカメです。カミツキガメは特定外来生物に指定されている大型の水棲ガメで、飼育には許可が必要です。一方、ハコガメは危険を感じると甲羅を箱のように閉じて身を守る、おとなしい性質のカメです。ハコガメの種類については種類と選び方で詳しく紹介しています。
まとめ
ハコガメが噛むのは、性格が悪いからではなく、「餌と間違えた」「怖かった」という理由がほとんどです。給餌の方法と触り方を少し工夫するだけで、噛まれる場面はぐっと減らせます。
噛まれてしまっても慌てて引き剥がさず、離れたら傷口をよく洗うこと。そして「シューッ」という音や噛みつきが続くときは、環境や体調のサインが隠れていないかにも目を向けてみてください。
よくある質問
ハコガメに噛まれると痛いですか?
ハコガメの顎の力は見た目より強く、本気で噛まれると出血することもあります。ただし多くは餌と間違えた軽い誤咬で、深いケガになるケースはまれです。出血や腫れが続く場合は医療機関に相談してください。
噛みついたまま離してくれません。どうすればいいですか?
無理に引っ張らず、落ち着いてカメが自分から離すのを待ちます。なかなか離さない場合は、カメごと浅い水にそっとつけると口を離すことがあるとされています。
シューッという音を出すのは病気ですか?
持ち上げたときなどに出す「シューッ」という音は、頭を引っ込める際の空気音や威嚇であることがほとんどです。ただし、安静時にも呼吸のたびに音がする、鼻水や口呼吸をともなう場合は呼吸器の不調の可能性があるため、動物病院への相談をおすすめします。
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