フロリダハコガメの飼い方|放射模様が美しい小型のアメリカ系・寒さと乾燥に注意

甲羅一面に広がる黄色の放射模様で、「カロリナハコガメの仲間でいちばん華やか」と評されることも多いのがフロリダハコガメです。小柄なサイズ感と美しい甲羅で人気が高く、当サイトで紹介してきたトウブハコガメミツユビハコガメと同じアメリカハコガメ属の仲間です。

この記事では、フロリダハコガメの特徴と、トウブ・ミツユビとの違い、日本の環境で飼うときに特に気をつけたい「寒さと乾燥」への備えをまとめます。ハコガメ全体の種類選びは種類と選び方を先にどうぞ。

結論

フロリダハコガメの飼育は、トウブハコガメなどと同じ森林系ハコガメのセオリー——保湿性のある床材を敷いた陸場+全身が浸かれる浅い水場+安定した温度+UVB——が基本です。

そのうえで意識したいのが、この亜種は温暖な地域の出身で、寒さと乾燥に弱いとされることです。日本の冬をそのまま越させるのは避け、保温器具での通年加温を前提に、湿度もアメリカ系の中では高めを意識して管理すると安心です。

フロリダハコガメの基本情報

フロリダハコガメ(Terrapene carolina bauri)は、その名のとおりアメリカのフロリダ半島などに分布する、カロリナハコガメ(トウブハコガメを含むグループ)の亜種のひとつです。甲長はおおむね12〜15cm前後、大きくても18cm程度とされ、アメリカハコガメ属の中でも小柄にまとまるタイプです。

最大の魅力は甲羅の模様です。暗色の背甲に細かく明るい黄色の放射状ラインが走り、頭の側面に2本の明色のラインが入るのが特徴とされます。トウブハコガメの模様が個体ごとにバラエティ豊かなのに対し、フロリダハコガメは「細かい放射模様」という方向性で安定して美しい、という印象の亜種です。

トウブ・ミツユビとの違い

同じアメリカハコガメ属なので環境づくりの基本は共通ですが、押さえておきたい違いが3つあります。

  • 小柄で華やか: 甲長12〜15cm前後と小さめで、放射模様の美しさが際立ちます。飼育スペースの面ではやや余裕を持ちやすい亜種です。
  • 寒さに弱いとされる: フロリダの温暖な気候の出身のため、トウブやミツユビより低温への耐性は低いと考えられています。飼育下では冬眠はさせず、通年加温が基本です。
  • 乾燥も苦手とされる: 湿地や湿った草地の近くで暮らすとされ、乾燥への弱さが指摘されています。床材の保湿と霧吹きの比重が、ほかのアメリカ系よりさらに大きくなります。

丈夫さ・環境の許容範囲の広さで選ぶならミツユビハコガメのほうが入門向きとされます。フロリダハコガメは「温度と湿度を安定させる管理を続けられる人向けの、ご褒美のように美しい亜種」と考えるとイメージしやすいはずです。

なお、同じアメリカ系の仲間としては、乾燥寄りの草原で暮らすニシキハコガメや、属最大級で水好きのガルフコーストハコガメも当サイトで紹介しています。性格の違う亜種と見比べると、フロリダハコガメの立ち位置がよりつかみやすくなります。

飼育環境|森林系セオリー+保温・保湿を厚めに

環境づくりは森林系ハコガメの標準構成です。要点と個別記事へのリンクをまとめます。

  • 容器: 小柄な亜種ですがよく歩くので、幅60cmクラス以上の床面積を確保します(飼育容器の選び方)。
  • 床材: ハスクチップや水苔など保湿系を厚めに敷き、潜れる深さを作ります。乾燥に弱いとされる亜種なので、床材の保湿力は特に重視したいポイントです(床材の選び方)。
  • 水場: 全身が浸かれる浅い水入れを常設します(シェルターとレイアウトの基本)。
  • 湿度: 60〜80%を目安に、霧吹きと通気のバランスで調整します(湿度調整の実践)。
  • 温度: ケージ全体25〜28℃・バスキングスポット30℃前後を目安に、冬は保温器具での通年加温を前提にします(冬の温度管理)。
  • 紫外線: UVBライトを設置し、球は定期交換します(紫外線ライトの選び方)。

餌は雑食で、配合飼料を主食に昆虫や野菜・果物を組み合わせるのが基本です。詳しくは人工飼料の選び方給餌頻度の基本をどうぞ。

夏の暑さ対策も忘れずに

フロリダハコガメというと「寒さに弱いので保温を」という点が強調されがちですが、温暖な地域の出身だからといって、日本の真夏の暑さが平気なわけではありません。閉め切った室内やケージ内が30℃を超える状態が続くのは、この亜種にとっても大きな負担になると考えられます。

野生のフロリダハコガメは、暑さや乾燥が厳しい時間帯には落ち葉や土の中に潜ったり、水辺に移動したりしてやり過ごすとされています。飼育下でこの行動を支えるのが、潜れる深さのある保湿系の床材と、全身が浸かれる浅い水場です。つまり、この記事で紹介してきた基本の環境づくりが、そのまま夏の「避難場所」としても機能してくれます。

そのうえで、夏場は次の点を意識すると安心です。

  • エアコンで部屋ごと室温を管理し、ケージ内が高温になりすぎないようにする
  • 直射日光が当たる窓際を避け、日中留守にする時間帯の温度も温度計で確認する
  • 湿度を保ちたい亜種ではあるものの、夏は熱と湿気がこもる「蒸れ」に注意し、通気とのバランスを取る
  • 水場の水は毎日交換し、水切れによる脱水を防ぐ

具体的な室温管理や留守中の対策は夏場の暑さ対策で詳しくまとめています。季節ごとのお世話の切り替えは年間管理カレンダーもあわせて参考にしてください。

迎えるときの注意

  • アメリカハコガメ属はワシントン条約(CITES)の対象で、国際取引が規制されています。流通量はトウブやミツユビより少なめの傾向があるので、信頼できるショップで、出どころのはっきりしたCB個体(飼育下繁殖個体)を選ぶことをおすすめします。
  • お迎え時は、目がくっきり開いているか、甲羅に極端なへこみや傷がないか、餌を食べているかを確認しましょう。
  • 規制の内容は変わることがあります。購入前に最新の状況を販売店に確認すると安心です。

お迎え直後は環境の変化で餌食いが落ちることがあります。最初の数週間は構いすぎず、温度・湿度を安定させて静かに慣らしてください。食べない状態が続く場合は拒食の対処記事も参考になります。

まとめ

フロリダハコガメは、細かい放射模様が美しい小柄なアメリカ系ハコガメです。環境づくり自体はトウブ・ミツユビと共通の森林系セオリーで進められますが、「寒さと乾燥に弱いとされる」という一点だけは常に頭に置いて、保温と保湿を厚めに整えてあげてください。

必要な用品の全体像は用品一式まとめから、ベビーから育てる場合はベビー育成環境もあわせてどうぞ。

よくある質問

フロリダハコガメは初心者でも飼えますか?

環境づくりの基本はトウブハコガメなどと同じ森林系のセオリーなので、温度と湿度の管理を続けられる方なら選択肢になります。ただし寒さと乾燥に弱いとされる亜種のため、丈夫さを優先するならミツユビハコガメのほうが入門向きとされています。

冬眠はさせられますか?

フロリダの温暖な地域出身で低温への耐性が低いと考えられているため、飼育下では冬眠はさせず、保温器具で通年加温するのが安全とされています。冬はケージ全体の温度を落とさないよう、サーモスタットと温度計で管理してください。

トウブハコガメとはどこが違いますか?

フロリダハコガメはトウブハコガメと同じカロリナハコガメの亜種のひとつです。甲長12〜15cm前後と小柄で、甲羅に細かい黄色の放射模様が入り、頭の側面に2本の明色ラインが走るのが特徴とされます。トウブより寒さと乾燥に弱いとされる点が飼育上のいちばんの違いです。

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